ジャズの誕生の歴史

ラグタイムバンドの登場(つづき)

今までは「ジャズの父」と呼ばれているB.ボールデンは伝説的なコルネット奏者で、確かな事は、彼は幾つかのバンドのリーダーをして既に初期のジャズと呼ばれる様式で演奏していたN.Oの代表的演奏家の一人だと言う事です。

事実はともかく世界でもっとも大きな音量のコルネット吹きといわれ、信憑性は無いのですが当時のN.Oにかなりの距離(推定7〜8km?)を隔てて二つの大きな遊園地「ジョンスン公園」と「リンカーン公園」が存在していましたが伝説ではB.ボールデンがジョンスン公園で演奏する際に、公園の柵の間にコルネットを突っ込み、リンカーン公園の人々をジョンスン公園に引っ張り込む合図を吹き鳴らしたと言う話が残っています。

元々床屋だったハンサムボーイの逸話はまだまだ沢山有るのですがそれは又の機会に、何故彼がハンサムボーイだったかって? 

バーボンストリート(BOURBON STREET)等、町の中心の通りでパレードが始まり彼のラッパがバンドのテーマ曲「センセーション・ラグ/SENSATION RAG」の最初の4小節を吹くとその音を聞きつけ町中の酒場の女共は競ってその行進に駆けつけたというエピソード、ひどい梅毒に冒され演奏中に突然発狂したと言うエピソード、晩年の十数年は半狂乱の闘病生活という悲惨なエンディング人生といった記録も残っています。

しかしこんな伝説の男B.ボールデンの音を実際に聞きたくても音を記録する発明はエジソンの蝋版蓄音機発明が1877年でこの時代は未だこの歴史的サウンドを記録する技術が無かったので今ではどんな音楽どんなサウンドだったかはただただ想像するしか有りません。

19世紀末に小さな花を咲かせた「ラグタイム」と呼ばれたこの新しい音楽は力強く成長し、時代はいよいよ20世紀に突入していきます。

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